夢は愚かな避難所

一生見られそうもないものなど、見たいとも思わぬ。

言葉より態度

高校生くらいのときは体力を持て余していて暴れたくてしょうがないからライブハウスに行ってドラムがバカスカ叩かれてギターがギャンギャンなってればとりあえず暴れていた、ベースの音なんて聞こえなかった、低音はよくわからなかった。

 

大学に行ってからは自分の音楽の趣味も少しずつはっきりしてきて斜に構えて腕を組んでフロアに突っ立ってたり、あと自分もすごく体を動かしたいのになんだか気恥ずかしくて中途半端に体揺らしていた。とにかく良くも悪くも高校時代よりも落ち着いてしまった、と思っていた。思い切り本気で騒いだのはサマソニBAWDIESArctic Monkeysくらいだ。

 

卒業と同時期に大森靖子を聴くようになって、彼女のライブに行ったら弾き語りというスタイルだからというのもあるけど、誰も音に体を揺らしてはいなくて、むしろ曲間に拍手をする客もいなくて驚いた。拍手する間も与えない彼女の演奏の仕方もあるけれど、客は拍手したりする余裕もないほどに圧倒されていた。俺もだった。

 

ライブで客席が一体になる気持ちよさとかって確かにあるけれど、何が何でも踊らなきゃいけないとか、腕を突き上げなくちゃいけないとか、そんなのはかったるい、好きに楽しませてくれ。

 

 

今日友人のライブを見に行った。友人の演奏はそんなに良くなかった、いや、上手いというか普通に聞けるんだけど、俺の琴線にはセットリストも歌い方もギターの弾き方もMCも何一つ触れなかった、好き嫌いの問題。拍手も気持ち少なめにした。

彼の後に出てきたバンドがすごく良かった、頭に三角巾つけて白装束着たギターボーカルがエレファントカシマシ宮本のような声で歌いながらギターかき鳴らして、美人なのに中学生のおてんば娘みたいな恰好した女がやれやれといった顔でドラムは叩いていて、マキタスポーツが被りそうなハットの下でポルノグラフィティのギターみたいな表情を浮かべた男がベースを弾いているスリーピースバンド。彼らの演奏中は自然と体が揺れたしMC中には本気で笑ったし500円のCDだって買った。

スリーピースバンドがはけた後に出てきた安っぽいスーツを着た三人組の男たちはミッシェルがやりたいのかミスチルがやりたいのかよくわからないオリジナル曲ばかりやっていてうんざりした、拍手も少なめにしたし、演奏中も遠慮なく大声で久しぶりに会った友人と話した。「次の曲は、僕たちはファンタジックな曲が好きなのでファンタジックな曲をやります、『やわらかい風に吹かれて』」とか抜かしてたから隣に座る友人に「ファンタジックってセカオワやんのかな?w」って言った。さんざん悪態ついてやった、大学二年生くらいのナルシストバンドを真剣な顔して見れないわな、こっちは2000円も払ってるんだから。

 

いま音楽を聴く側に足りないのは悪態だと思う。

 

帰り道でTwitterに悪評書くんじゃなくて、とことん目の前で白けてやればいい。

 

こないだ、俺の前でとことん白けてくれたのありがたかったよ。

 

 

久しぶりに書いたらつまんない文章になってしまった。