夢は愚かな避難所

一生見られそうもないものなど、見たいとも思わぬ。

思い出せない

あのころってことごとく忘れていく。にっちもさっちもいかず、だれにも助けを求められず、ベッドに横たわっていた日々、あのとき考えていたこと、あのときの倦怠感、あのときの未来、ひとつも覚えちゃいないような気さえしてくる。 でも、未来がなにもないっ…

あほんだら

おまえらはもうここを読まないかもしれない。それでも書く。 最近、書くことで金をもらえるようになった。まったくコネのなせるわざなんだけど(と言ったらコネをつくってくれた人に失礼か、彼女は俺のまだ芽の出ない才能に気づいてくれたんだから)、いちお…

それはもう、徘徊。そしてこれも。

横尾忠則とタモリがY字路についてトークしている記事を少し前にほぼ日で読んだ。そこで彼らはこんなことを言っていた。 横尾 ぼくのY字路に関しての 評論を書いた人がいて、その人は、「Y字にぶつかると、どっちに行くべきか迷う」 って言ってるんですよ…

かっこわるい雑記

最近事態はちょっとずつ好転していて、今までと変わらず他人頼みだけれども、少しずつその他人たちがかまってくれるようになってきた。ふと言われたように、俺はターゲットを持たないからダメなんじゃなくて、モチベーションがないのが問題だ。だから最近は…

じぶんじゃないみたい

髪を切った、約2ヶ月ぶり。ただでさえ髪が伸びるスピードがはやいのに、あんまり美容室が好きじゃないおれは、もさもさになってようやく髪を切りに行く。本当に腰が重い。おれは人よりも髪が伸びるのがはやいと思っているけれど、それはどの人と比べているの…

一年の刑は大晦日にあり。

このときの友人と年末年始も飲んだ、29日30日飲んで、1日も飲んだ、でももうこれで当分は会わなくなるだろう。会えなくなったから。30日にこっぴどく叱ってもらった。朝6時に2人で歩きながら、おれのダメさ、おまえのダメさを言い合った。年末にあたって1500…

夢は愚かな避難所

私の夢は愚かな避難所。雷から身を守るために傘を使うようなものだ。フェルナンド・ペソア 『断章』123 指先が氷柱みたいに冷たくてタイピングがつらい。でももしかしたら動かしているうちに温まるのかもしれない。寒いから布団にくるまって動かない。動かな…

上手なアルコールとのつきあい方って、畢竟、上手に生きるってこと

上京する前は酒を飲んで酔っぱらってもわりと明るくハメを外すタイプだった。それが東京に来てからというものたくさんの人に何度も酒で迷惑をかけることになった。さいきんは誰かといっしょに飲むこともめっきり減って、ひとりほろ酔っぱらうようになったん…

趨勢は朝井リョウ

――朝井さんのなかでのリア充の定義はありますか? 世間で言う「リア充」は、「自分よりも考えが浅い人」を指していると思っています。リア充って他称なんですよ、今や。もともとは、友達が多い人、恋人がいる人という意味だったと思うんですが、今はバーベキ…

afterword

あとがきだけ書きたい。あとがきはすなおだ。もしもめちゃくちゃかっこつけてても、かっこつけたいという気持ちはストレートに見えちゃうからすなおだ。あとがきはずるい。まだ書いてもいない本の構想を語ることほどみっともないことはないなんて、誰かが言…

恥ずかしくない?

駅の反対側のスーパーの帰り道、かすかにノイズが聞こえる。水道管の中を水が流れているみたいな音。駅の反対側、とは言っても、その駅は自宅の最寄り(と不動産屋が定めた)駅のことで、渋谷に向かうとき、最寄り駅(自宅から徒歩7分くらい)の次に各駅停車…

コスモス

鮮やかなさよなら 永遠のさよなら 追い求めたモチーフはどこ幻にも会えず それでも探していた今日までの砂漠約束の海まで ボロボロのスポーツカー ひとりで行くクロールの午後きみの冷たい手を 温めたあの日から 手に入れた浮力囁く光浴びて立つ きみを見た…

パンケーキじゃがまんできない

きみは素直だね、とたまに言われる。身に覚えがない。どういうときに「きみは素直だね」と言われたのか思い出せない。そう言ってきた人間は思い出せるけど。素直と正直は違う、と誰かが言っていた。誰か思い出せないからどこかで読んだのかもしれない。何が…

棚上げ

自分のことを棚に上げないと、何も言ってやれません。 飾るために置くんじゃなければ、相手も分かってくれるんじゃないでしょうか、どうでしょう、分かりません。 アナウンサーになりたい? どのツラ下げて言ってんだよ。 就職留年? そりゃあダメだよ、諦め…

カラフル

夜中、おしゃれの代名詞とも言える町にある書店まで歩いていった帰り道、ふと眼鏡を外して歩いてみたら、自分の視力の悪さに驚いた。すべての光がぼやーっとして、なんの文字も見えず、向こうからやってくる人にも気づけない、でもそれが全然不快じゃない。 …

ハイタッチ!!!!!!!

つらあい!つらいつらいつらいっつっつっっつっっっつつつらいっっっっ!!!!!!!! つらい!!!!!楽しいことしたい!!!!!! 甘えたい!!なんでだ!!!なんでなんだ!!! ラクしてるのに!!!つらい!!!!!! なんでだ!!!!なんでなん…

さびしい

さびしい。ひとりだからさびしい、とか、孤独だからさびしい、とかじゃない、じぶんがじぶんであることが、さびしい、そういう類のさびしい。シャワーを浴びながら「あー」と、唸り声にしては小さく、ため息にしては大きい声を出したときに、実家で長い廊下…

過去の自分の文章は本当に未来の自分のためになるんだろうか

2015/5/21 4:24:15 妹(A子)が電話口で泣いていた、と母は言う。 なんで? と聞いたら、A子かわいいんだよ、と嬉しそうに言った後、彼女は答えた。 「その日はただ泣いていて理由はわからなかったんだけど、そういうことって今までなかったから翌日『明日私…

一ヶ月

夜、甘いものが食べたくなったから、梨を切ることにした。仏壇に供えてあったその梨は、昼の間に冷蔵庫に入れておいたものだ。キッチンで梨を切っていると、足元に気配がした。見るとそこには小ぶりのしかしまるまると太った光沢あるゴキブリがいた。クイッ…

雑記ってかっこいい。

だいぶご無沙汰。代わり映えのしない毎日、代わり映えのしない心境、わざわざ書くようなことのない日々。週に一回の勤務先でようやく社員の人と軽口叩けるようになってきたかどうか。まあ小馬鹿にされるようになってきたのである程度いい関係になってきたの…

三戦全敗

電車で扉の脇のところに持たれて立っていた、いわゆる「狛犬」をしていた。そんなに混んだ電車ではない。向かい側にも「狛犬」がいた。すると突然太った女がおれともう一人の狛犬の間に座り込んだ。なんだか気分が悪そうだ。おれはこのとき本を読んでいて降…

おれはおれの歌声がいちばん好き

B'zの稲葉と同居しても、自分は歌がうまいと思えるか? - 真顔日記diary.uedakeita.net たとえ話ってのは面白いからぐんぐん読み進めてしまうしふつうに笑ったけど、ちょっと待てよ、と。 歌のうまさを図る指標はたしかにあるだろう、音域が広いとかビブラー…

時間の結晶体

ホン・サンスの『自由が丘で』という映画は今年見た映画の中でもいちばん好きかもしれない。 手紙の受取人はそれを読む前に風で手紙を吹き飛ばされてしまう。手紙には頁数がふられていないから、受取人はそれを書き手が読んでほしいと思って並べた順序どおり…

学習性無気力に守られたiPhone

iPhoneのカメラロールを見ていたら記憶が混濁してくる。最近ひとりで散歩しているときにもiPhoneで写真を撮れるようになった。昔は、自分が興味をもったもの、被写体にしたいと思っている人を他人に悟られるのが嫌で、往来では写真を撮れなかった。あと単純…

指原の5年、おれの5年

指原莉乃が一位に返り咲いた。 「全国の落ちこぼれの皆さん、私を自信にしてください」と言っていてすごく安心した。おれが初めて見た指原はメンバーとともに街を歩くロケをしていた。店員に萎縮し、洋服屋でとても居心地が悪そうだった。仲の良かった後輩に…

衣替えの句読点

衣替えをしたことがない。 季節は唐突に変わるわけじゃない。桜はとっくに散ったのに寒かったり、鯉のぼりが見えるのに暑かったり。季節の変わり目のどのタイミングで衣替えをすればいいんだろう。今だってベッドが心細そうにひっついている壁にある、ハンガ…

仕事で生きるか、生活で生きるか、さもなくば死

「その池も桜も極く当たり前なものだった。それならば冬それを眺めた時の異様な印象はただその通りに見るに堪えないということだけですむのではないかという気がして来た。そういうものは我々の周囲に幾らでもある。それは見るに堪えないのであるよりも見る…

なんかどっと疲れた

このかんじを何と言えばいいのだろう、俺は甘えてるだけなんだろうか、そうは思えない。思いたくないんじゃない、思えない。毎日がだらだらと続き過去も未来もない。過去を夢見、未来は未経験、《いま》がひたすら引き伸ばされていく毎日。はやく週に一回の…

未来がわからないから死もわからない、それで死にたいとか平気で言ってしまうんだと思う。

こないだ、少し帰省した。 地元で、俺がいま一番熱中しているアーティストのライブがあったからだ。帰省という名目なら親から飛行機代をもらえるため、躊躇は全くなかった。 地元に帰ったその日にライブを見て、その後友人と飲み、翌日は85歳の祖父に会って…

恋人を盾にして

この4年間俺が何かひとつのことに打ち込んで頑張れなかったのはつまるところやっぱりなんだかんだで恋人がいちばん大切、というよりは恋人と過ごす時間が最も大切だった、もしくは恋人を大切にしている自分が好きだったから。いや、そうやって気持ちを分解す…